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紹興、南通

中国を代表する黄酒の生産地である江南地域を周りました。稲作文明の起源地とされる長江を中心として、たくさんの淡水湖と水路で形成された中国の”水の都”豊富な良水による良質な穀物、熟成発酵に適した緩やかな四季の変化のある気候、全てが旨い酒の条件に適した大地です。この地域の黄酒の製造方法や原料(もち米、酒薬、麹)は、大体同じで味や風味も似ています。半干型で、さっぱりしたオーソドックスなタイプです。現在は日本で飲まれている黄酒は全てこの地域の黄酒と言っていいでしょう。



古越龍山酒業

会稽山酒業

女児紅酒業

中粮酒業

まずは紹興へ、言わずと知れた日本で紹興酒と呼ばれている黄酒の生産地です。魯迅ゆかりの地であるこの場所は日本人にとっては観光地としても有名ですが中国人にとっては、それ程たいした観光地ではなさそうです。私の感想としても、ちょっとした田舎町で2〜3日居れば充分な気分です。さて、簡単に紹興黄酒の説明をします。酒処と呼ばれるとうり街の中には大小合わせて100前後の酒蔵が存在します。以前は、その他の北方、南方の酒蔵集落地にもたくさんの酒蔵が存在したそうですが時代背景や国家政策により、紹興地方だけが、これだけの数の酒蔵が残っている地域となりました。更に現在においては地方経済の発展や輸出産業の促進のために国家品質基準をクリアした地理標示保護産品とした6つの酒蔵だけにしか紹興酒とした名前での販売を許してません。その他の地理表示保護産品の例で言うと、金華ハム、上海蟹、鎮江黒酢など地域名がそのまま商品名として許される地域メーカーがあります。今、日本で紹興酒として流通している黄酒の中に、この6つの酒蔵に属さないものがたくさん流通しているようです。紹興黄酒には、製造法、糖分含量の違いで、4種類のお酒のに分類できます。元紅酒(干型)、加飯酒(半干型)、善良酒(半甜型)、香雪酒(甜型)。現在生産されているものは、加飯酒だけで、皆さんが口にされてる紹興酒は、この加飯酒です。加飯という名前のとうり、そのほかの製造法と比べ原料のもち米を更に多く加え醸造することで、より濃厚な味わいを作り出します。たくさんの原料と手間をかける紹興特有の製造法です。福建沈缶酒は比較的にこの製造法に近いですが、その他の地方黄酒は、元紅酒、善良酒の製造法に近く、これほど手間とコストをかけるのは稀です。よく紹興酒における花彫の意味を聞かれるのですが、一般的には女の子が生まれた時に地中に埋め、嫁ぐときに掘り出す、その甕に花柄模様を彫りこむ事でその名が言われますが、もうひとつ大事な意味があります。紹興の人以外には、ほとんど知られていませんが、それは”風格”にあります。風格とは、紹興における地理や歴史、文化によって、区別できるタイプの違う味わいです。この小さな紹興地区の中でも、東路・西路と東西に分かれる風格の違いがあります。西路の酒(花彫)は濃厚で甘口、東路の酒(女児紅)はさっぱり、辛口と区別できます。現在紹興酒と言われる6酒蔵の5つは西路酒で、東路酒は唯一女児紅酒蔵だけしか残っておりません。

広大な敷地に、大量生産向けに近代化された製造工場



原酒の貯蔵庫、吹きっさらしの倉庫で四季の気候に合わせた自然熟成、長いもので30年〜50年

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次に上海、上海と言えば中国で一番の経済都市、皆さんご存知の通りアジアの中では東京に次ぐ大都市ではないでしょうか。このような大 都市にも以前には幾つかの酒蔵が存在していたらしいです。今回は現在唯一上海に残っている金風酒蔵を訪問しました。この酒蔵は、ちょ っと前までは、江南地域にあるごく普通の中小酒蔵でしたが、十数年前ぐらいから、いきなり力を付けてきて今では中国の黄酒のメーカー の中で一番の生産量を誇るトップメーカーにのぼりつめました。保守体質の黄酒メーカーの中で革新的な近代マーケティングにより”和酒 ”ブランドを構築して、中国全土へと展開しています。現在、低中流層向けの”和酒”と中高流層向けの”石庫門”の2つのブランドがあ り、”和酒”は蜂蜜やその他の天然甘味料が混合されていて一般大衆向けの味に飲みやすくできてます。他方”石庫門”は、紹興酒に負け ない重厚な味に気品のある独特な香りが特徴です。さすがトップメーカーのトップブランドと思わせる、とっても上品なおいしさです。




上海からバスで1時間程度でいける江蘇省南部に位置する黄酒の集落地域があります。水郷の古都として無錫・周庄で知られる観光地でも あり、上海での観光にセットでよく訪れる場所です。この地域もまた紹興に並び歴史・文化、共々大変黄酒に所縁のある街です。この一帯 の黄酒の製造法は紹興酒で言う元紅酒の作り方に近く半干型と半甜型を生産しています。味は紹興酒に比べると、だいぶさっぱりしていて 、酒度数も10度前後の低度数なので、黄酒の初心者にはおすすめですが、紹興黄酒を飲み慣れた方には物足りないかもしれません。今回 は、南通という場所にいある水明楼酒蔵へ行きました。この酒蔵はこの地域では3本の指に入る中クラスのメーカーで、ここ南通は、ミン トの特産地として有名で、黄酒にミントの香りを付けた新しい商品開発をしたと私に飲ませてくれましたが、はっきり言っておいしくなか ったです。以前は紹興の近隣なので、この地域の黄酒も紹興酒として販売していましたが、地理表示保護産品の影響で紹興酒の名が使えな くなり、独自に、この地域による“蘇式老酒”なる地域ブランドを立ち上げ各メーカーが協力してブランドの構築に努力している現状です 。






トウモロコシと牛肉の炒め

どじょうと干菜の蒸し

臭豆干

泡椒鳥足

つくしの山椒和え

茹で細竹

わらびの冷菜

錦糸かぼちゃの甘露煮