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上海ー紹興ー湖州ー宜興ー蘇州。【前編】

今回は、太湖の周りを一周するような形で、幾つかの要件を済ませてきました。

上海ー紹興ー湖州ー宜興ー蘇州。
そして久しぶりに黄酒の本場ここ江南地方で、2つの酒蔵さんを訪問。

まずは紹興市、紹興梁祝酒業。
敷地内に足を踏み入れた第一印象が紹興の酒蔵には似つかわしくないオフィスビル。


ゴミひとつ落ちていない、しっかり管理されている近代工場という感じです。
社長も若くイケメンでびっくり、話を聞くと、5年前に上海の不動産会社に買収されてリメイクされた新興酒蔵。
近代的な商品構成・管理体制から見ても、なるほど理解ができました。


最近どこの酒蔵さんを周っても、時代の潮流というのか、一部の大手の酒蔵さん以外の中小酒蔵は、昔ながらの生産体制・商品構成が時代に合わず、ほとんどの酒蔵さんが経営に行き詰まり、別業界の会社に買収され伝統・技術を引き継ぎ、新たな販売体制を築いています。

その代表的な例を挙げると、この後に訪れる酒蔵さん並びに今まで訪れた数多くの酒蔵さんもそうなのですが、飲み口はサッパリ、酒度数は低度に抑えたものが開発されてます。

ここ紹興市では、重厚で芳香な味わいが紹興を代表する風格であるはずなのですが、その紹興の酒蔵ですら、この時代の潮流に追従せざるを得ない状況が驚きです。


実は、この酒蔵さんに来た理由は、高酒度20度(一般的の紹興黄酒は、15度)の黄酒を製造している情報をもとに訪れたのですが、もうすでに過去のそのタイプのレーベルは製造停止しており、現在は、前述した通りの現代版にアレンジされた黄酒の生産体制だけとの事。

さすがに成功している企業の運営だけにしっかりとした販売戦略が、みてとれます。
商品レーベルを一種類:熟成年代別6・10・15年に絞り込み、品質の安定と生産・拡販効率に集中させる。
多くの酒蔵さんが何種類のレーベルを持つ中、稀有な存在です。


更に「熱燗にして飲む黄酒」というキャッチコピーを加えて、宣伝活動も行っています。
ボトルも熱燗にしやすいとっくり型、販売店には、陶器でできたホットプレートも付属で提供しています。
「日本酒のとっくりで熱燗にして飲む文化の真似ですか?」と突っ込んだら、それは、反対に中国から日本へ酒文化が流れていると怒られました。

それは、その通りに違いはないですが、この熱燗スタイルだけは、どうみても日本のパクリですね。
お酒の味は、予想外においしいです。すごくレベルが高く感じられます。


さすが品質重視を提唱してるだけはあります。通常紹興地域以外の江南黄酒は、サッパリした傾向が多いのですが、それらは、単に薄っぺら味で、深みが感じ取れません。
しかしこちらの黄酒は、サッパリした味わいの中に、深い風味が感じ取れます。
リンゴの様なフルーティーな味わい、飲み口も飽きのこない食事と一緒に飲み続けられます。
大袈裟かもしれませんが、既存の黄酒とは、一線を分け、高級ワインにも匹敵できるのではと。


その味わいの秘密のひとつに、冬期短期醸造という製法を開発して、通常の紹興黄酒の5分の3の冬期の短い時間を使って醸造、発酵を抑え、飲み口をサッパリとさせると同時に伝統的な紹興黄酒の技法をサッパリ感の中にみごとに調和させています。
是非、当社で取扱いたい黄酒ですが、現況、提示される条件が大変厳しく難しい案件です。

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5台の宣伝車で、全国を走り回り広報活動。酒蔵さんでは、斬新な広報活動です。

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熟成原酒の保存庫。
私営会社の中では、老原酒を一番多く保有しているとの事。
1979年生産の原酒が数多く並べられている場所を発見。ひと甕30万元(日本円約400万円)らしいです。
これらだけで、買収の際の資金を回収できるのでは?そういえば最近の中国の投資ブームの中、黄酒の原酒にも競売などが行われ、お金が流れ込んでいるらしいです。

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後編へ続く・・・